よくある質問

医療過誤

医療過誤(医療事故・医療ミス)は刑事事件にならないのですか?また、警察に訴えてもダメですか?
医療過誤(医療事故)における各法律上の医師の責任は、民事、刑事及び行政の各責任があります。
その中で、刑事責任について は、業務上過失致傷罪・同致死罪、傷害罪、殺人罪などが考えられます。
ただ、民事的に違法行為と評価される場合であっても、それがイコール「刑事責任がある」と は言えません。
また、個人で直接警察に訴えるには、医療過誤事件はあまりにも証明責任も大きいため、警察も簡単には動い
てくれないというのが実情でもあります。その医師に対し刑事責任を追及したいと思った場合でも、
一度弁護士に相談することをお勧めします。
医療過誤事件の民事裁判を起こした場合、1審の判決まで期間はどれくらいかかりますか?
最高裁の統計では、医療過誤訴訟の1審の平均審理期間は約3年間です。
従って、2年足らずで和解で終了するものもあれば、1審判決まで3年~4年、または5年以上かかる場合もあります。
一般の訴訟の審理期間は2年を目標としていますのでなるべく2年で終わるように裁判所も代理人も努力しています。
医療過誤裁判の原告側の勝訴率(認容率)は低いと言われていますが本当ですか?
本ページの近年の認容率でもご案内しましたが、最高裁の統計などを見ると、勝訴率(判決に至った事案のうちで、原告が全部又は一部勝訴した率)は、だいたい3割から4割 くらいです。ただ、この中には勝訴的な和解に至ったものなどは入っていませんので、全体ではおそらく5~6割くらいが勝訴的解決に至っているのではないかと思われます。
しかし、一般の訴訟の原告側の勝訴率はさらに高率ですので、確かに一般と比べると、勝訴率や勝訴的な解決率は他の裁判よりも低いかもしれません。
医療事故(医療ミス)の疑いがあるのですが、ずいぶん前のことなので時効になっていませんか?
医療事故の場合、医師などに対する損害賠償請求には、債務不履行を理由にする場合と、不法行為を理由にする場合とが考えら れます。前者の場合には債権を行使可能な時から10年で時効となります。後者の場合には、被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年で時効となります。また、後者の場合は、損害や加害者を知るかどうかに関わらず、医療事故の時から20年が経過すると、一切請求できなくなります(除斥期間といいます)。
家族が医療ミスの被害に遭いました。病院側に直接カルテの開示を求めたいのですが?
カルテの開示を直接交渉することはできます。任意に示さない場合は、証拠保全手続を行います。
カルテの改ざんを防ぐためにはこの証拠保全を行った方がよいでしょう。
身内が医療過誤の疑いで亡くなりました。原因究明のために解剖を行ったほうが良いのでしょうか?
解剖を実施すると、亡くなられた本当の原因が判明することも多々あります。後日、医療過誤裁判を行う際にも有力な証拠となりますので、解剖を実施されている方が望ましいと思います。司法解剖や行政解剖を行うに場合は、所轄の警察署に相談をして下さい。病理解剖は、事故の起きた病院や他の大学病院などにおいて行うことになりますので、遺族の側から申し出ることが必要にな ります。なお、病理解剖を行う場合は、10万円前後の費用がかかることがありますので、
詳しくは解剖を担当する医療機関にお問い合わせ下さい。
医療事故かどうか判断してくれる医師を直接紹介してもらえますか?
協力医の紹介は可能です。ただ、依頼主が直接医師と面談する場合は医師の同意が必要です。
弁護士に相談するとすぐに裁判(訴訟)になると聞きましたが本当ですが?
医療ミスがあったと言えるのかどうかを検討するために、証拠保全によってカル テを入手するかどうかを依頼主と弁護士で話し合うことになります。
ここで依頼主の方が証拠保全を依頼しなければ、相談だけで終了となります。ご相談の内容がカルテを取り寄せるまでも無く、法律的に医療過誤と評価することが困難な場合には、証拠保全を行うことを弁護士側から断ることもあります。
また、証拠保全によってカルテを入手し、いろいろと調査を進めた結果、訴訟を起こせない、
訴訟を起こさないという結論に至るケースもあります。
カルテなどで医療ミスが認められると判断した場合は相手と交渉の上、訴訟となります。
医療過誤の民事裁判で被告側(医師、病院等)に請求できる賠償はどのようなものがありますか?
医療過誤事件に関する賠償は主に次の3つに分けられます。


1. 積極損害
被害を受けたことで、支出を余儀なくされたという損害のことで、
主に、治療費、付添看護費、入院雑費、通院交通費、葬儀費用(死亡の場合)、その他弁護士費用などが該当します。

2. 消極損害
被害を受けたことで、本来あるべき収入が入らなくなった損害のことで、治療のために仕事を休み、
収入が減少したという損害(休業損害)、及び、死亡したり、後遺症を負ったことで、
将来得られたはずの収入が減少したという損害(逸失利益)などがこれにあたります。

3. 慰謝料
被害を受けたことで精神的に苦痛を感じた損害を金銭で填補するものです。尚、死亡やそれと同視できる被害が生じた場合には、
本人だけではなく一定の近親者に固有の慰謝料請求権が発生します。
離婚裁判などで一般的によく言われる「精神的慰謝料」もこれにあたります。